こんにちは、息子の夜泣きがひどくて寝不足のTAKです。

それはさておき、来週はバレンタインデーですね。

バレンタインデー・・・女子が騒ぎ始めたのは確か小学校5年生くらいの頃だと記憶しております。

唯一学校にお菓子を持ってきても怒られない特別な日でもあり、野郎共は総じて浮き足立ち、挙動不審に陥りがちな2月の14日。

最初それを知ったのは保育園の頃。

「今日はなんと、好きな子からなんとチョコが貰えるらしい!!」

と、ちっちゃい頃の僕はやたら厚顔無恥な少年だったので、当時大好きだったGちゃんの家に殴りこんでは、

「チョコくれチョコくれチョコくれ~!!」

と、わめき散らしては暴れまわり、Gちゃんをひどく困らせたものです。

(Gちゃんのお母さんがかわいそうな僕のために、チョコ用意してくれていました・・・。今でも赤いビニールに入ったピーナッツ入りのハート型のチョコをみると、あの日の思い出が蘇ります)

小学5年生の2月14日も、人一倍チョコが食いたい僕は

「チョコをもらいたいっ!もしかしたらもらえちゃうんじゃないだろうか!?」

と、ドキドキしながら学校行きました。

でも当時もじゃもじゃヘアーの上下おそろいの服(パジャマにしか見えないので、パジャマンって呼ばれてました)、おまけに当時は重度のゲームオタクの僕です。もてる可能性なんか耳かきですくえるほどもありません。

その時クラスのチョコを独り占めしたのは、当時モテモテだったS家君。彼はランドセルにチョコをぎゅうぎゅう(教科書は学校におきっぱなし)に詰め、

「俺って、モッテモテなんだぜ!」

と、ランドセルの中身を「ほれほれ、うらやましかろう」と自慢されたものです。もともと鼻持ちならないやつだったので悔しさは一入(ひとしお)です。僕は背中を丸めてしょんぼりと家に帰ると、

「お母さん、僕は結婚できないかもしれない・・・。高野家はどうやら僕で末代のようです、本当に申し訳ない」

という風に母親をひどく困らたのをよく覚えています。

全く同じ日、幼馴染のあっきーの家に遊びに行けば行ったで、

「俺、チョコ嫌いなんだよなあ」

といいつつ、女の子からもらったであろうミッキーマウス形のチョコの右耳をかじっているのを見たときは、(白と黒の二色でした。よく覚えています)

「オマエみたいなスケコマシ野郎はもう友達じゃない」

というセリフが喉まで出掛かりましたが、それを言うとなんだか男として負けた気がしたので、僕は何食わぬ顔で

「な~!チョコなんて甘いもん食えねえよ~」

って言ってなんとかその場をしのぎました。(僕は誰からも貰ってないから食えないわけですが・・・)

中学校の頃はそういう自分の運命を呪ってか、ゲームオタクの熱がさらに過熱しました。もうモテない事この上ありません。

その頃僕は軟式テニス部に入っていましたが、(新設されたので男子は6人しかいなかったのですが)

「よくわかんないんだけど、高野君の動き方は常人の域を逸しておかしい」

なんとラケットを振るさわやかな好青年を気取るはずが、いつのまにか女子からはラケットを振るお笑い芸人という扱いになってしまいました。

その後、漫画に感化されてさわやかなバスケ部に入りましたが、

「オマエは、走り方がターミネーターに出てくるT1000そっくりだ」

と、バスケ部に入ったにもかかわらずこの調子。女子からは

「あいつはおかしい。特に動きがおかしい。おまけにエロそうよ!ひそひそ・・・奥さん、聞いた?」

と、変人でも見るような目をされて距離を置かれっぱなしの状況です。

しかし、それでも2月の14日には

「もしかしたら、こんな奇特な俺を好きになる人がいないとも限らない」

僕は得意の誇大妄想を存分に働かせて学校に行き、

「下駄箱には入ってないか・・・・。やはり漫画のようにはいかないぜ」

「机の中には入ってないか・・・・。やはり、ドラマのようにはいかないぜ」

「部活の後にももらえないか・・・。きっと恥ずかしがりやなんだろう」

と、最後の方はやや現実逃避をしてしまうほどチョコを食いたかったのをよく覚えています。

そんなこんなで、中学校の頃は鳴かず飛ばずの三年間でした。

しかし、高校に入ってからは状況が一変しました。

女子高だったのと、(僕の年から共学に。女子800人、男子12人でした)その辺から少しずつゲームオタクからの脱却を図ったのと、おまけに少々色気づいてきたせいか、高校二年になってからはバックパックにいっぱいのチョコをもらいました。(十数個)

あの日のS家君と僕が、記憶の中でシンクロします。感動の一瞬です。

はやる気持ちを抑えて猛ダッシュで家に帰っていざ中身を空けてみると、

「いつも、悪いね!これ、気持ちだから」

「ギリです」

「お返し期待してま~す!高いクッキーがいいです」

「F君に渡してください」

「余ったので」

「失敗作」

と、本命のチョコはただの1つもありません。モテタ!と一瞬でも勘違いした僕は、奈落のそこに叩き落されました。

・・・そんな僕でしたが次の年には僕にも初めての彼女ができ、待ちに待ったバレンタインデーがやってきました。

(僕が高三で彼女が高一でした。三歳の年の差のせいで、周りからは

「でた!幼女マニア」

「ロリコン研究家」

という、不名誉なあだ名をいただきましたが・・・)

校舎の裏(だったかな?)彼女が恥ずかしがりながら差し出した箱をゆっくりと開けると、

「ゴロリ」

とした何やら黒い塊が目に飛び込んできました。

「なぜ冷えた溶岩が入っているのだ」

一瞬そんな言葉が口をついて出そうになりましたが、隣では彼女が心配そうな顔をしています。僕はごくりと唾を飲み込むと、えいやっ!と口いっぱいにチョコをほおばり、

「こ・・・これはうまい!これはうまいよ~!愛を感じるね!」

と、目を白黒させながら飲み込んだのを覚えています。味は少ししょっぱかった気がします。

( 湯せんにかけた後にすぐ冷凍庫にチョコを入れると、脂分が分離してぐずぐずになるのです。僕は小さいころ、姉に強制的にいろいろなお菓子を作らされていたので、お菓子作りが得意だったのです)

あれから10数年経って僕にも子供ができ、(僕で末代にならなくてよかった)もう32歳になってしまいましたが、こういう経緯もあってか今でもチョコレートが大好きです。

・・・・チョコにまつわる思い出はありますか?